ビジネススクールとは?おすすめ6選や学べる内容、選び方などを解説
最終更新日:2024.10.01
「ビジネススクールってどんなところ?」「本当に役に立つの?」
ビジネススクールと聞いて、このような疑問を持っている人は多いでしょう。
ビジネススクールとは、ビジネスの基礎から実践的なスキル、MBAの学位習得まで、幅広い分野を身につけられる場所です。
この記事では、ビジネススクールの基礎知識やおすすめのビジネススクール6選、さらに選び方まで紹介しています。
ビジネススクールは、転職やキャリアアップ、スキルアップを目指している人にとって、非常に有効な選択肢となるため、ぜひ最後までご覧ください。
1. ビジネススクールとは
ビジネススクールとは、ビジネスに関する幅広い知識やスキルを習得できる教育機関のことです。特定のビジネススキルに特化した講座や、MBAの学位の取得を目指すカリキュラムが用意されています。
そのため、ビジネススクールといっても、学べる内容は多岐にわたり、大きく分けると以下の2つのタイプのビジネススクールに分けられます。
- 多様なスキルと知識を学べるビジネススクール
- MBAの学位を取得できるビジネススクール
それぞれの概要をご紹介します。
(1)多様な知識とスキルを学べるビジネススクール
学べるテーマはビジネススクールによって異なりますが、幅広いビジネス分野を網羅した講座が提供されています。
たとえば、以下表のような分野で、実践的な知識やスキルを身につけられます。
分野 | 内容例 |
経営戦略 | ・競争優位性の構築 ・持続的な成長を実現するための分析手法 ・意思決定プロセスの習得 |
マーケティング | ・ターゲット顧客ニーズの把握 ・効果的な商品やサービス訴求戦略 ・マーケティング戦略の実行方法 |
ファイナンス | ・企業の資金調達、投資、リスク管理 ・財務戦略立案と実行に必要な知識 |
会計 | ・企業の財務状況把握 ・経営判断に役立つ会計情報分析スキル |
リーダーシップ | ・チーム目標達成を導くリーダーシップ理論 ・リーダーシップの実践的なスキル |
交渉術 | ・ビジネス交渉における合意形成 ・コミュニケーション戦略とテクニック |
プレゼンテーション | ・説得力のある資料作成 ・聴衆を惹きつける効果的な発表技術 |
コミュニケーションスキル | ・ビジネスシーンにおける円滑なコミュニケーション ・傾聴力、質問力、表現力の向上 |
短期間で学べる内容や講座も多数提供されており、キャリアアップや転職を目指すビジネスパーソンにとって非常に役立つものです。
働きながら限られた時間のなかで知識やスキルを習得できるよう、夜間や週末に開講される講座やオンライン学習など、多くの受講方法が用意されているのも魅力です。
(2)MBAの学位を取得できるビジネススクール
MBA(Master of Business Administration)とは、経営学修士号のことです。
海外では、ビジネススクールというと「MBAの学位を取得できる教育機関」のことを指します。一方、日本ではビジネス関連の専門知識やスキルを学べる教育機関をビジネススクールといいます。
日本にもMBAを取得できる大学院(専門職大学院)は複数存在しており、企業経営者やリーダーとして活躍するための実践的な経験を積めるカリキュラムが組まれています。
2. おすすめのビジネススクール6選
数あるビジネススクールのなかから、おすすめのスクールを6つ紹介します。ビジネス関連を学べるスクールと、MBAの取得を目指せるスクールをそれぞれ3つピックアップしました。
(1)ビジネス関連を学べるスクール3選
ビジネス関連の知識を深めたいビジネスパーソン向けにおすすめのスクールを3つ紹介します。
①日経ビジネススクール
引用:日経ビジネススクール
日経ビジネススクールは、グローバル社会で活躍するビジネスパーソンの育成を目指し、実践的な知識・スキルを習得できる講座を提供しています。
日経ビジネススクールの受講形式は多様で、会場での受講に加え、ライブ配信、短期集中eラーニング、オンデマンドなど、自分に合った受講形式を選択できます。
講座内容は経営戦略、マーケティング、ファイナンスなど幅広い分野を網羅しており、京都大学や名古屋商科大学といった有名ビジネススクールとの提携講座も提供しているのが特徴です。
なお、料金システムは受講したいセミナーを個別に選択し、支払うシステムのため、必要な分野に絞って効率的に学べます。
日経ビジネススクールは、実践的な内容で構成されており、自分に合ったスタイルで質の高いビジネス教育を受けたい人におすすめです。
参考:日経ビジネススクール
②Schoo
引用:Schoo
Schoo(スクー)は、ビジネススキル向上を目指す社会人向けのオンライン学習サービスです。無料会員と月額980円(税込)のプレミアム会員があり、自分に合った学び方を選べます。
Schooの最大の特徴は、双方向ライブ授業です。講師やほかの参加者とリアルタイムにコミュニケーションを取ったり、直接質問やコメントできたりするので、より深く理解し、学びの質を高められます。
録画授業も8,500本以上と豊富に用意されており、倍速再生やアプリにダウンロードもできるため、いつでも自分のペースで学習できます。
思考力やコミュニケーション術など、ビジネスパーソンとしての基礎力をアップできる講座が多数用意されているため、新社会人や基礎から学び直したい人に最適な学習サービスです。
また、デザインやプログラミングなど幅広い分野の講座も開講されているため、キャリアチェンジを目指す人にもおすすめです。
参考:Schoo
③GLOBIS学び放題
引用:GLOBIS学び放題
GLOBIS学び放題は、月額1,650円(年間契約の場合)で15,000本以上のビジネス動画を視聴できるオンライン学習サービスです。
全16のカテゴリから構成されたコースは、論理的思考力やマーケティング、会計・財務、組織・リーダーシップなど、ビジネスに必要な知識を幅広く網羅しています。
さらに、忙しいビジネスパーソンでも、移動時間や昼休みなど、スキマ時間を有効活用して学習できるよう、1本3分からの短い動画も多数用意されているのも特徴です。
毎月の最新トレンドを捉えた動画が追加されるため、ビジネス基礎だけでなく、最新のビジネス知識を学びたい人にもおすすめです。
参考:GLOBIS学び放題
(2)MBAの取得を目指すビジネススクール3選
MBAの取得を目指すビジネススクールは、国内外に多数存在します。ここでは、そのなかでもおすすめの国内3校を厳選してご紹介します。
①慶應義塾大学大学院経営管理研究科
慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)は、1962年に日本で初めて設立されたビジネススクールです。
若い世代を対象としたMBAプログラムと、それぞれの業界や領域ですでに実績のあるプロフェッショナルを対象とした、Executive MBAプログラムを提供しています。
KBSの大きな特徴は、慶應独自のケースメソッドを用いた実践的な教育です。理論と実務のバランスを重視し、産業界や海外の教育機関とも連携し、学生のリーダーシップを育成しています。
さらに、教育・研究・ネットワークの3つの領域を重視し、それぞれが相乗効果を生み出すことで、質の高い教育環境を提供しています。
②名古屋商科大学ビジネススクール
名古屋商科大学ビジネススクールは、世界トップレベルの実績と伝統を誇る国内屈指のビジネススクールです。経営大学院に関する「AACSB」「EQUIS」「AMBA」という三大国際認証を、国内で唯一すべて取得しています。
世界三大ランキングで知られるQSとFTにおいては、国内1位にランクインしており、卒業生は国内外で高い評価を得ています。
スクールの特徴は、実践的な「ケースメソッド」を全授業で採用している点です。多様な企業の事例を題材にした討論型の授業をとおして、実践的な経営スキルを身につけられます。
また、教員の8割が実務経験を有する研究者になるため、豊富な経験や知識、ノウハウを学べます。
学位取得を目指すMBAプログラム以外にも、社会人向けの単科講座や企業研修、事業承継など、さまざまなニーズに対応できるプログラムも提供しています。
③グロービス経営大学院
引用:グロービス経営大学院
グロービス経営大学院は、「MBAを超えるMBA」を掲げ、思考力と人間力を兼ね備えた真のリーダーの育成を目指しています。
最大の特徴は、ビジネス界の第一線で活躍する現役のビジネスリーダー陣が教員を務める点です。経営に関する体系的な知識に加え、実務経験や専門分野の知見を活かした高度なティーチングスキルによって、実践力を高められます。
さらに、東京や大阪、名古屋、福岡の4キャンパスに加え、仙台、横浜、水戸の特設キャンパス、オンライン校も展開し、多様な学習スタイルに対応しているのも魅力です。
グロービス経営大学院は、高いレベルの教育と充実したサポート体制で、受講生一人ひとりの成長を支援しています。
参考:グロービス経営大学院
3. ビジネススクールを選ぶポイント
ビジネススクールは、数あるなかから自分に合ったものを選ぶことが重要です。
ビジネススクール選びで失敗しないために、おさえておくべき5つのポイントを紹介します。
(1)学ぶ目的
将来のキャリアプランや現在の課題など、学ぶ目的を明確にしたうえで、目的を達成できるビジネススクールを選ぶことが重要です。
たとえば、営業戦略を学びたい、マーケティングスキルを向上させたいなど、具体的な目的をもとに、学びたい内容が充実したビジネススクールを選びましょう。
(2)カリキュラムの内容
ビジネススクールによって、強みや専門性が異なります。幅広い分野を網羅しているスクールもあれば、特定の分野に特化したカリキュラムを提供しているスクールもあります。
そのため、ビジネススクールを選ぶ際は、カリキュラムの内容を比較検討し、学びたい内容に合ったカリキュラムを提供しているスクールを選びましょう。
(3)受講費用や受講期間
ビジネススクールの候補をピックアップしたら、受講費用や受講期間を比較検討し、自分の予算や時間に合ったビジネススクールを選びましょう。
ビジネススクールの受講費用と受講期間は、学校やカリキュラムによって大きく異なります。
たとえば、同じMBAの取得を目指すビジネススクールでも、夜間や週末のみ開講している社会人向けのプログラムと、平日に開講しているプログラムでは、費用や期間は基本的に異なります。
(4)受講方法
ビジネススクールの受講方法は、大きく分けて「通学型」と「オンライン型」の2つあります。どちらの受講方法が自分に合っているかは、ライフスタイルや学習スタイルによって異なります。
①通学型の特徴
通学型は、教室に通って授業を受ける従来型の受講方法です。
通学型の特徴をもとに、メリット・デメリットを以下の表にまとめました。
特徴 | メリット | デメリット |
講師やほかの受講生と直接会って学べる | ・講師やほかの受講生と直接コミュニケーションを取れる
・活発な意見交換や議論をとおして、理解を深められる ・人的ネットワークを構築しやすい |
受講場所や時間に制限があり、スケジュール調整が必要 |
教室へ通う必要がある | 学習習慣が身につきやすい | 通学にかかる時間や費用がかかる |
学習しやすい設備が整っている | 学習に集中しやすい環境が提供されている |
②オンライン型の特徴
オンライン型はインターネット環境があれば、場所を選ばずに受講できるため、通学型に比べて自由度の高い学習スタイルです。
オンライン型の特徴をもとに、メリット・デメリットを以下の表にまとめました。
特徴 | メリット | デメリット |
受講する場所を選ばない | ・インターネット環境があればどこでも受講可能 ・海外や地方在住者も都市部のスクールに通学せずに学べる |
・受講生の反応が分かりづらい ・コミュニケーション不足になりやすい |
時間の融通性が高い | ・自分のペースで学習を進めやすい・仕事や家事などとの両立がしやすい ・オンデマンド型なら好きな時間に視聴可能 |
|
学習リソースが豊富 | ・録画された講義動画、オンライン教材などを活用できる | 情報過多になりやすい |
費用が比較的安価 | 通学型に比べて、費用が比較的安価な場合が多い | ・オンライン環境を準備する必要がある ・通学型に比べて、学習サポートが限定的な場合がある |
オンライン型では自分のペースで学習を進めやすい一方、モチベーション維持が難しい場合もあるため、学習計画を立て、定期的に目標達成状況を確認することが重要です。
(5)トライアル期間の有無
ビジネススクールによっては、実際に授業を体験できるトライアル期間を設けているスクールがあります。
受講期間が長期間にわたるMBA取得を目指すビジネススクールなどの場合は、入学前に授業の雰囲気や内容を把握することは非常に重要です。
自分に適しているかどうかを判断するよい機会になるため、積極的に活用しましょう。
(6)口コミや評判
ビジネススクール選びの際には、実際に通っていた人の口コミや評判は重要な判断材料になります。
入学前に学校側の情報だけでなく、生徒の声を参考にすることで、自分に合ったスクールを見つけやすくなるでしょう。口コミや評判は、口コミサイトや掲示板、SNSなどで確認できます。
ただし、すべての情報が正しいとは限らないため、情報の信憑性を見極める必要があります。情報を鵜呑みにせず、複数の情報源から情報を集め、客観的に判断しましょう。
4. まとめ
ビジネススクールは、経営学やビジネススキルを体系的に学び、キャリアアップやスキルアップを目指せる教育機関です。
数多くのビジネススクールが存在し、それぞれ目的やカリキュラム、費用、受講期間などが異なります。
そのため、自分の目的に合ったビジネススクールを選ぶことが重要です。この記事で紹介したポイントを参考に、自分のキャリアプランや目標、学習スタイルなどを考慮し、最適なビジネススクールを選びましょう。
記事監修
古今堂 靖
一般社団法人日本リスキリングキャリアコンサルタント協議会 理事長
大学中退後、ホスト、ブライダル司会者、青果市場、旅行添乗員、長距離トラック運転手、警備員、レコード会社勤務等を経て、財団法人関西カウンセリングセンター勤務、心理カウンセラー、キャリアコンサルタント養成の傍ら、特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会の立上げに参画して国家検定キャリアコンサルティング技能検定制度の創設に携わる。2024年3月に一般社団法人日本リスキリングキャリアコンサルタント協議会を立上げ、生成AI時代のリスキリングキャリアコンサルタントの養成を開始。