【年代別】学び直しにおすすめの資格・スキル|キャリアパス・キャリアアップを成功させるコツ

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最終更新日:2024.10.19

【年代別】学び直しにおすすめの資格・スキル 20代: ITパスポート 基本情報技術者試験 TOEIC 簿記 30代: ファイナンシャルプランナー 宅地建物取引士 社会保険労務士 40代: MBA 中小企業診断士 行政書士 50代: 福祉住環境コーディネーター 医療事務 介護職員初任者研修 ファイナンシャルプランナー [資格を取得するメリット] 20代:基礎知識/スキルを習得し、自身の市場価値を高める 30代:専門性を高め、キャリアアップ/転職に有利になる 40代:キャリアチェンジ独立、経営知識/スキルを身につける 50代:セカンドキャリアの準備、社会貢献、生活に役立つ知識/スキルを習得

従来は、学校を卒業後、企業に就職し、定年まで勤め上げるという働き方が一般的でした。 しかし、近年のテクノロジーの進化やグローバル化、そして新型コロナウイルスによる働き方の変化などにより、 一つの会社で定年まで働き続けることが難しくなってきているのが現状です。

このような状況下において、個人が自身のキャリアをより良いものにするために、継続的に新しい知識やスキルを身につけていく「リカレント教育」が重要になっています。

また、企業側においても、変化の激しい時代に対応していくために、従業員のスキルアップや新しいスキルを獲得させる「リスキリング」が急務となっています。

ただし、これらの学び直しは、年齢や学び直しをおこなう目的によって、最適な学習場所・学習方法が異なります。

そこで今回は、年齢別に、学び直しの目的とおすすめの資格・スキル、学習方法を詳しく解説します。

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1. 【年代別】学び直しの目的とメリット

学び直しは、年齢に関係なく誰にでも必要なものであり、それぞれの年代によって目的やメリットは異なります。

ここでは、20代、30代、40代、50代の4つの年代に分け、それぞれの年代における学び直しの目的とメリットを詳しく解説していきます。

年代

目的 メリット

20代

・基礎力UP
・キャリアの選択肢を広げる

・市場価値を高められる
・自分に合った仕事を見つけやすくなる

30代

・キャリアアップ
・転職
・専門性を高める

・収入アップ
・転職を有利に進められる
・キャリアの停滞を避けられる

40代

・キャリアチェンジ
・独立
・セカンドキャリアの準備

・やりがいのある仕事に就ける
・収入源の増加
・将来の不安を軽減できる

50代 ・定年後を見据えた準備
・趣味や生きがいを見つける

・セカンドキャリアを充実させられる
・生活にハリが出る
・社会とのつながりを維持できる

(1)20代:基礎力UP、キャリアの選択肢を広げる

20代は、社会人としての基礎を築きながら、自分のキャリアプランを具体的に描いていく時期です。

まだ専門性が定まっていない場合もあるため、幅広い分野を学び、将来の選択肢を広げることが重要になります。

この時期の学び直しでは、基礎的なビジネススキルを身につけることが重要です。 例えば、以下の様なスキルが挙げられます。

項目 内容

コミュニケーション能力

報告・連絡・相談など、円滑なコミュニケーションを取るために必要なスキル

問題解決能力

問題を発見し、分析し、解決策を実行する一連のプロセスを遂行するスキル
ロジカルシンキング

物事を論理的に整理し、筋道を立てて考えるスキル

プレゼンテーションスキル

自分の考えや提案を相手に分かりやすく伝えるスキル

これらのスキルは、業界や職種を問わず必要とされるものであり、若いうちから身につけておくことで、その後のキャリアを有利に進めることができます。

上記以外にも、資格取得も有効な手段となりえます。 業務に関連性の高い資格を取得することで、専門知識を深め、キャリアアップに繋げやすくなります。

20代のうちは、積極的に様々なことに挑戦し、多くの経験を積むことが大切です。 失敗を恐れずに、新しい知識やスキルを身につけることに貪欲になりましょう。

(2)30代:キャリアアップ、転職、専門性を高める

30代は、キャリアの岐路に立つことが多い年代です。20代で積み重ねた経験を活かし、さらにキャリアアップを目指す人も多いでしょう。

30代が学び直しで重視すべきは、「市場価値を高める」ことです。そのためには、将来性のある分野を選び、専門スキルを身につけることが重要になります。 

分野 内容

IT・Web関連

需要が高く、将来性も高い分野。プログラミングやWebデザインなど幅広いスキルが求められる

ビジネススキル

営業力やマーケティング力など、あらゆる職種で役立つ
金融・会計

金融機関や会計事務所などで専門性を活かせる

語学(英語・中国語など)

グローバル化が進む中で、語学力は大きな武器になる

これらの分野を選ぶ際は、自分の興味関心やキャリアプランと照らし合わせて考えることが大切です。

(3)40代:キャリアチェンジ、独立、セカンドキャリアの準備

40代は、会社員としての経験を積む一方で、体力や気力の面で変化を感じる時期でもあります。 将来を見据え、セカンドキャリアについて具体的に考え始める人が増える年代と言えるでしょう。

参考資料によると、かつては「60歳で定年退職」が一般的でしたが、現代では「定年後も働き続けること」が当たり前になりつつあります。 

60歳以降も長く健康に働くためには、40代のうちからセカンドキャリアの準備を始めることが重要です。

具体的には、下記のような点が挙げられます。

準備すること

詳細

環境変化の認識

社会構造の変化を理解し、定年後も働き続ける必要性について認識する

キャリア自立意識を持つ

会社に依存するのではなく、自分自身でキャリアを築いていくという意識を持つ
自分を知る

自分の能力や強み、興味や価値観などを分析し、棚卸しを行う

志を見つける

今後の人生において、本当にやりたいことや、成し遂げたいことを明確にする

キャリアの設計図を作る

これまでの経験やスキル、今後のキャリアプランを踏まえ、具体的な行動計画を立てる

仲間を見つける

セカンドキャリアに関する情報を共有したり、相談したりできる仲間を見つける

40代は、セカンドキャリアに向けて動き出すための準備期間と捉え、積極的に行動を起こしていきましょう。

(4)50代:定年後を見据えた準備、趣味や生きがいを見つける

50代は、これまでの長い社会人生活を経て、いよいよセカンドライフが現実味を帯びてくる年代です。

定年退職後の人生をより豊かで充実したものにするために、この時期から趣味や生きがいを見つけておくことは非常に重要です。

例えば、長年興味のあった旅行や写真、音楽などを趣味にするのも良いでしょう。さらに、健康を意識したヨガやウォーキング、地域のボランティア活動に参加するのもおすすめです。

これらの活動を通じて、新たな仲間との出会いや地域社会への貢献など、人生の喜びや生きがいを見出すことができるでしょう。

また、第二の人生をより充実させたいと考えるなら、プログラミングのような新しいスキルを身につけることも有効です。

プログラミングは、論理的思考力や問題解決能力を高めるだけでなく、自身のアイデアを形にする創造的な活動でもあります。

習得すれば、フリーランスとして働く、あるいは自身のビジネスを始めるなど、新たなキャリアを切り開く可能性も広がります。

大切なことは、自分が本当に楽しめること、熱中できることを探すことです。定年後の人生をより豊かで有意義なものにするために、今から積極的に行動を起こしていきましょう。

2. 【年代別】学び直しにおすすめの資格・スキル

年代によってキャリアにおける目標や目指す方向性は異なります。そのため、学び直しの際に取得するべき資格・スキルも年代別に最適なものが存在します。

20代から50代までの各年代におすすめの資格・スキルを具体的に見ていきましょう。

年代

おすすめの資格・スキル 資格を取得するメリット

20代

ITパスポート、基本情報技術者試験、TOEIC、簿記 基礎知識・スキルを習得し、自身の市場価値を高める

30代

ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引士、社会保険労務士 専門性を高め、キャリアアップ・転職に有利になる
40代 MBA、中小企業診断士、行政書士

キャリアチェンジや独立、経営知識・スキルを身につける

50代 福祉住環境コーディネーター、医療事務、介護職員初任者研修、ファイナンシャルプランナー

セカンドキャリアの準備、社会貢献、生活に役立つ知識・スキルを習得する

20代は、ITスキル、語学力、ビジネスの基本を身につけることが重要です。これらのスキルは、様々な業種・職種で活かすことができ、キャリアの選択肢を広げます。

30代は、専門性を高め、キャリアアップや転職を有利に進めるために、業務に関連性の高い資格の取得がおすすめです。

40代では、キャリアチェンジや独立、経営に携わることを視野に入れ、MBAや中小企業診断士などの取得を目指す人が増えます。

50代では、定年後を見据え、セカンドキャリアの準備や社会貢献に関心の高い人が多く、ファイナンシャルプランナーや福祉関係の資格取得が人気です。

上記はあくまでも一例であり、自身のキャリアプランや興味関心に合わせて、最適な資格・スキルを選択することが大切です。

(1)20代におすすめの資格・スキル

20代は社会人としての基礎を築きながら、自身のキャリアプランを具体的にしていく時期です。この時期の学び直しでは、市場価値を高めるための資格取得やスキルアップが効果的です。

分野

資格・スキル メリット

ビジネススキル

TOEIC® Listening & Reading Test、Microsoft Office Specialist グローバル社会で活躍するための語学力や、ビジネスシーンに不可欠なPCスキルを習得できるため、就職・転職活動で有利になる

Webスキル

Webデザイン技能検定、Webクリエイター能力認定試験

需要が高まっているWeb業界で活躍するための専門スキルを身につけることができ、フリーランスや副業にもつなげやすい

プログラミングスキル Pythonエンジニア認定基礎試験、Javaプログラミング能力認定試験

今後も需要が見込まれるIT業界で活躍するための専門性を身につけることができ、転職やキャリアアップに有利になる

金融・経済 ファイナンシャルプランナー(FP)技能士、日商簿記検定

金融リテラシーを高め、将来設計や資産運用に役立てることができる。また、経理や財務など、幅広い職種で活かせる知識やスキルを身につけることができる

これらの資格・スキルは、自身の興味関心やキャリアプランに合わせて選択することが重要です。

(2)30代におすすめの資格・スキル

30代は、キャリアの転換期を迎えることが多い年代です。20代で経験を積んだ後、さらなるキャリアアップを目指したり、結婚や出産などのライフイベントを経験して働き方を見直したりする人もいるでしょう。

ここでは、30代におすすめの資格・スキルを3つの分野に分けてご紹介します。

分野

資格・スキル例

ビジネススキル

MBA、プロジェクトマネジメント、ITスキル(プログラミング、Webデザイン、データ分析など)
専門スキル

ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引士、保育士、看護師、介護福祉士など

語学

TOEIC、TOEFL、英検、中国語検定、韓国語能力試験など

ビジネススキルは、業種を問わず求められるスキルです。MBAを取得すれば、経営に関する専門知識やスキルを身につけることができ、管理職へのキャリアアップを目指せます。

プロジェクトマネジメントは、プロジェクトを円滑に進めるために必要なスキルであり、多くの企業で求められています。ITスキルは、近年特に需要が高まっており、プログラミングやWebデザイン、データ分析など、さまざまなスキルがあります。

専門スキルは、特定の職業に就くために必要なスキルです。ファイナンシャルプランナーは、顧客のライフプランに合わせた資産運用や保険などのアドバイスを行う仕事です。

宅地建物取引士は、不動産の取引に関する専門知識を持ち、不動産売買の仲介などを行います。保育士、看護師、介護福祉士は、専門的な知識とスキルを必要とする職業であり、社会貢献性の高い仕事と言えるでしょう。

語学力は、グローバル社会においてますます重要になっています。TOEICやTOEFLなどの英語資格を取得すれば、就職や転職、昇進に有利になるだけでなく、海外とのビジネスにも役立ちます。中国語や韓国語など、需要の高い言語を習得するのも良いでしょう。

30代は、結婚や出産、住宅購入など、ライフイベントが大きく変化する時期でもあります。そのため、将来のライフプランを見据えながら、自分に必要な資格やスキルを身につけることが大切です。

(3)40代におすすめの資格・スキル

40代は管理職や役職についている方も多く、会社や組織における責任のある立場を任される年代です。そのため、これまで培ってきた経験やスキルを活かしながら、さらに専門性を高めたり、経営的な視点を養うことが求められます。

資格名

おすすめポイント

中小企業診断士

企業の経営課題全般について、専門家として診断・助言を行うことができる資格。経営戦略やマーケティング、財務など、幅広い知識を習得することで、経営者としての視点や、問題解決能力を高めることができる
社会保険労務士

企業における労働法や社会保険制度に関する専門家として、従業員の雇用管理や労務相談、年金・保険手続きなどを担当する。働き方改革や少子高齢化が進む中で、専門知識を活かして企業の課題解決に貢献できる

ITストラテジスト

企業の経営戦略とITを融合させ、ビジネス変革を推進する役割を担う。DXが叫ばれる昨今、ITの知識を深め、経営戦略に活かす力が求められている

情報セキュリティマネジメント試験

企業の情報セキュリティ対策の企画・立案・運用・監査などを行い、情報漏洩やサイバー攻撃から企業を守る役割を担う。情報管理の重要性が高まる現代において、専門知識を身につけることで、企業の信頼確保に貢献できる

これらの資格以外にも、自身のキャリアプランや興味関心に基づいて、自分に最適な資格を選択することが重要です。

(4)50代におすすめの資格・スキル

50代は、これまで積み重ねてきた経験やスキルを活かせる年代です。 定年後を見据えて、セカンドキャリアの準備や、趣味や生きがいを見つけるための学び直しも視野に入ってきます。

①50代男性におすすめの資格

長年の経験を活かせる資格や、専門性をさらに高める資格の取得がおすすめです。

資格

おすすめポイント

宅地建物取引士

不動産業界は50代からでも活躍しやすい業界。資格取得で独立も目指せる
中小企業診断士

企業経営のスペシャリストとして活躍。経験を活かしてコンサルタントも目指せる

電気工事士

需要が高く、安定した収入を得られる。体力的にハードな面もあるため、経験や体力と相談して検討する必要がある

管理業務主任者

マンション管理の専門家として活躍。今後需要が高まる分野で長く活躍できる

②50代女性におすすめの資格

50代女性は子育てが一段落し、自分の時間やスキルを活かしたいと考える方が多いでしょう。 女性ならではの視点を活かせる資格や、これまでの経験を活かしてさらにキャリアアップできる資格がおすすめです。

資格

おすすめポイント
ファイナンシャルプランナー

お金の専門家として、顧客の人生設計をサポートする仕事。女性ならではの視点で活躍できる

宅地建物取引士

不動産業界は女性も多く活躍している。宅建士の資格は、顧客の立場に立った提案に活かせる
調理師免許

料理教室の開講や、飲食店への就職・開業など、様々な道が開かれる。

登録販売者

ドラッグストアなどで医薬品を販売できる資格。経験を積めば管理者としてキャリアアップも目指せる
医療事務

医療機関で働く事務スタッフとして活躍。医療事務は安定した需要が見込まれるため、長く働き続けたい方におすすめ

3. 【目的別】おすすめの学習方法・学習場所

学び直しの目的別に、おすすめの学習方法と学習場所を見ていきましょう。

目的

学習方法・学習場所 概要
資格取得 -資格予備校
-通信教育
-オンライン講座

短期間で資格取得を目指すなら、資格予備校がおすすめ。自分のペースで学習を進めたい場合は、通信教育やオンライン講座も有効

スキルアップ

-オンライン学習プラットフォーム
-プログラミングスクール
-企業研修
専門スキルを磨きたい場合は、オンライン学習プラットフォームやプログラミングスクールなどを活用する。企業によっては、従業員のスキルアップを目的とした研修制度を設けている場合がある
キャリアチェンジ -大学・大学院
-専門学校
-職業訓練

キャリアチェンジを検討している場合は、大学や専門学校で腰を据えて学び直すのも有効。より実践的なスキルを身につけたい場合は、職業訓練も選択肢の一つ

生涯学習

-カルチャースクール
-市民講座
-公開講座

教養を深めたり、趣味を広げたりする場合には、カルチャースクールや市民講座などがおすすめ。大学が提供している公開講座を受講するという方法も有効

(1)資格取得

資格取得を目的とする場合、様々な選択肢が存在します。

学習方法・学習場所

特徴 費用 メリット デメリット
通信教育 自分のペースで学習可能 安価 時間や場所を選ばない

モチベーション維持が難しい

専門学校

実践的なスキルを習得可能 高価 即戦力を身につけることができる 費用が高額になりがち
オンライン講座 インターネット環境があればどこでも受講可能 比較的安価 自分のペースで学習を進められる

対面での指導を受けられない

(2)スキルアップ

社会人になると、学生時代とは違い、常に新しい知識やスキルを身につける必要性に迫られます。

変化の激しい現代において、スキルアップは自身の市場価値を高め、キャリアアップや転職を有利に進めるための重要な要素となります。

スキルアップの方法は多岐に渡り、個々の状況や目指すキャリアによって最適な方法は異なります。ここでは代表的な方法を3つ紹介します。

方法

概要 対象者
オンライン学習プラットフォーム インターネットを通じて、プログラミングやデザインなど、幅広い分野の講座を受講できる

時間や場所にとらわれずに効率的に学習したい方

対面式セミナー・講座

専門性の高い知識やスキルを、講師から直接指導を受けながら習得できる 実践的なスキルを身に着けたい方、講師や他の受講者と交流したい方
書籍による学習 基礎知識や体系的な知識を自分のペースで学ぶことができる

コストを抑えて学習したい方、自分のペースでじっくり学習したい方

(3)キャリアチェンジ

人生100年時代と言われる現代において、キャリアチェンジを考えることは決して珍しいことではありません。

しかし、長年続けてきた仕事を辞めて新しいことに挑戦するには、不安がつきまとうものです。そこで、キャリアチェンジを成功させるための学習方法について解説します。

①これまでの経験を棚卸しする

キャリアチェンジを成功させるためには、まず自分自身の経験やスキル、強みを把握することが重要です。これまでの職務経験で培ってきたスキルや知識を洗い出し、棚卸しを行いましょう。その上で、本当にやりたいこと、実現したいことを明確にすることで、目指すべき方向性が見えてきます。

②異業種交流会やセミナーに参加する

興味のある業界の異業種交流会やセミナーに積極的に参加してみましょう。実際にその業界で働いている人たちから話を聞くことで、業界の現状や仕事内容、必要なスキルなどを具体的に知ることができます。

③転職エージェントを活用する

転職エージェントは、豊富な求人情報を持っているだけでなく、キャリアカウンセリングや面接対策など、転職活動をサポートしてくれる心強い味方です。自分に合ったキャリアプランを一緒に考えてくれるため、転職活動が初めての方でも安心して相談することができます。

④資格取得も視野に入れる

キャリアチェンジを有利に進めるためには、新たに資格を取得することも有効な手段です。特に、専門知識やスキルが求められる職種への転職を希望する場合は、資格取得が必須となる場合もあります。

⑤オンライン学習プラットフォームを活用する

近年では、オンライン学習プラットフォームを利用して、空いた時間に自分のペースでスキルアップを目指せるようになりました。費用を抑えながら、専門知識やスキルを効率的に学ぶことができます。

キャリアチェンジは、自分自身の可能性を広げ、より充実した人生を送るための大きな転換期となります。しっかりと準備を行い、自信を持って新しいキャリアに挑戦しましょう。

4. キャリアパス・キャリアアップを成功させるコツ

学び直しを成功させ、キャリアアップやキャリアチェンジを現実のものとするには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。

闇雲に勉強を始めるのではなく、まずは、下記のような点に留意しましょう。

コツ

詳細
目的を明確にする

「何のために学びたいのか?」「どんなスキルを身につけたいのか?」を明確にする

実行可能な計画を立てる

漠然とした目標ではなく、具体的な目標を設定し、いつまでに何を達成するのか、計画を立てる
モチベーションを維持する

学習は長期戦になるため、モチベーションを維持することが重要

自分に合った学習方法を選ぶ

継続的に学習するために、自分に合った学習方法を見つける
周囲のサポートを得る

家族や友人、同僚などに、自分が学び直していることを伝え、サポートしてもらう

これらのポイントを意識することで、迷うことなく、モチベーションを高く保ちながら、学び直しに取り組むことができます。

(1)目的を明確にする

学び直しを成功させるためには、まず「なぜ学びたいのか?」という目的を明確にすることが重要です。

目的が曖昧なままでは、モチベーションが続かなかったり、本当に必要な知識やスキルを習得できない可能性があります。

目的を明確にすることで、学習内容や学習計画が立てやすくなるだけでなく、目標達成への意欲が高まり、結果的に学びの成功へと繋がります。

目的が明確である場合

目的が明確でない場合

自分にとって必要な学習内容や計画を立てやすくなる

何を学べば良いか分からず、時間や費用を無駄にしてしまう可能性がある

目標達成への意欲が高まり、モチベーションを維持できる

モチベーションが続かず、途中で挫折してしまう可能性がある

学習の進捗状況を把握しやすく、改善点を見つけやすい

自分自身の成長を実感しにくく、モチベーションが低下する可能性がある

このように、目的を明確にすることは、学び直しを成功させるための最初のステップと言えるでしょう。

(2)実行可能な計画を立てる

学び直しを成功させるには、計画を立てることが重要です。計画を立てずに闇雲に勉強を始めてしまうと、途中で挫折してしまう可能性があります。

計画を立てる際には、以下のポイントを意識しましょう。

項目

説明
目標を明確にする

漠然と「スキルアップしたい」ではなく、「〇〇の資格を取得して転職する」「3ヶ月で〇〇ができるようにする」など、具体的な目標を立てる

現状を把握する

現在のスキルや知識、使える時間や予算などを把握し、目標とのギャップを明確化する
スケジュールを立てる

目標達成のために、いつまでに何をやるのかを具体的にスケジュールに落とし込む。1週間単位など、短いスパンで計画を立てると、進捗を管理しやすくなる

モチベーション維持の方法を考える

長期的な目標を達成するには、モチベーションを維持することが重要。目標達成時のご褒美や、定期的な進捗確認など、モチベーション維持のための工夫を盛り込む

周囲に協力を求める

仕事や家事などで忙しい場合、周囲の理解と協力が必要。家族やパートナー、職場の上司や同僚に、自身の学び直しについて理解と協力を求める

計画は、あくまで計画であり、状況に合わせて柔軟に見直すことが重要です。

計画通りに進まなかったとしても、自分を責める必要はありません。計画を見直し、継続していくことが大切です。

(3)モチベーションを維持する

学び直しを成功させるには、モチベーションを維持することが重要です。目標達成までには時間がかかることも多く、モチベーションが下がってしまうこともあるでしょう。ここでは、モチベーションを維持するためのコツを紹介します。

①なぜ学び直しをするのか、目的を明確にする

学び直しを始める前に、「なぜ学びたいのか」「何を達成したいのか」という目的を明確にしましょう。目標が曖昧なままでは、モチベーションを維持することは難しくなります。

例えば、転職やキャリアアップ、スキルアップなど、具体的な目標を設定することで、学習のモチベーションを高く維持することができます。

目的

具体的な内容例
転職

異業種への転職、より条件の良い企業への転職、キャリアアップを目指せる企業への転職

キャリアアップ

現職での昇進、給与アップ、希望の部署への異動
スキルアップ

業務効率化、専門知識・スキルの習得、市場価値の高いスキルの習得

②目標達成までの具体的な計画を立て、定期的に進捗を確認する

目的を達成するためには、具体的な計画を立て、定期的に進捗を確認することが大切です。

計画を立てずに学習を進めてしまうと、何から手をつければいいのか分からなくなったり、進捗状況が把握できずにモチベーションが低下したりする可能性があります。

具体的な学習計画を立てることで、目標達成までの道のりが明確になり、モチベーションを維持しながら学習を進めることができます。

(4)自分にあった学習方法を選ぶ

学び直しを成功させるためには、自分に合った学習方法を選ぶことが重要です。学習方法には、大きく分けて「セミナーや講義の受講」「学習アプリの利用」「音声・動画コンテンツの聴取・視聴」など、さまざまな方法があります。

例えば、体系的な知識を学びたい場合は「セミナーや講義の受講」、隙間時間を活用して効率的に学習したい場合は「学習アプリの利用」、自分のペースで繰り返し学習したい場合は「音声・動画コンテンツの聴取・視聴」などが向いているでしょう。

また、以下の表のようにそれぞれの学習方法の長所と短所を比較検討し、自分に最適な方法を選択することも重要です。

学習方法

長所 短所
セミナーや講義の受講 専門家から直接指導を受けられる、他の受講生と交流できる機会がある

時間や場所の制約がある、費用がかかる場合がある

学習アプリの利用

隙間時間を活用できる、自分のペースで学習を進められる インターネット環境が必要、モチベーション維持が難しい場合がある
音声・動画コンテンツの聴取・視聴 繰り返し学習しやすい、移動時間などのスキマ時間を有効活用できる

集中力が途切れやすい場合がある、 受動的な学習になりがち

このように様々な角度から学習方法を比較検討することで、より効果的に学び直しを進めることができます。

(5)周囲のサポートを得る

学び直しは、決して一人だけで行うものではありません。周囲のサポートを効果的に得ることが、成功への大きな鍵となります。

周囲の協力を得るためには、日頃から「この人なら大丈夫」「この人なら間違いない」と周囲に思われている人間関係を築いておくことが重要です。

信頼関係を築くことで、困った時に相談しやすい雰囲気を作ったり、力を貸してくれる仲間を見つけやすくなります。

また、周囲の人へ学び直しについて積極的に相談してみましょう。経験者からアドバイスをもらったり、同じ目標を持つ仲間と励まし合ったりすることで、モチベーションを維持しやすくなります。

5. まとめ

学び直しは、人生のあらゆる段階で、私たちに新たな可能性と成長をもたらす素晴らしい機会となります。

人生100年時代と言われる現代において、学び直しはもはや特別なものではなく、誰もが積極的に取り組むべきものといえます。

しかし、学び直しは、ただ闇雲に進めていけば良いというものではありません。

より充実した学び、そしてその先の未来を実現するためには、下記のような点に留意する必要があります。

項目

詳細
タイミング

仕事や家庭環境、経済状況などを考慮し、無理なく継続できるタイミングを見極めることが重要

危機感

会社のリスキリングの機会は、自身のスキルが陳腐化する可能性を示唆している場合もあるため、危機感を持って主体的に学ぶ姿勢が大切
周囲の協力

周囲の協力が必要となる場合もあるため、事前にしっかりと話し合い、理解と協力を得ておくことが重要

プライベートの状況

独身や子どもがいない時期など、比較的時間に余裕があるタイミングを有効活用するのも一つの方法
スキマ時間の活用

スマートフォンやリモート技術を活用し、育児や介護の合間などのスキマ時間を有効活用するのも効果的

変化の激しい現代社会において、生涯にわたる学習は、自身の成長とキャリアの成功、そして豊かな人生を送るために不可欠です。

積極的に学び直しに取り組み、理想の未来を創造していきましょう。

記事監修

古今堂 靖

一般社団法人日本リスキリングキャリアコンサルタント協議会 理事長

大学中退後、ホスト、ブライダル司会者、青果市場、旅行添乗員、長距離トラック運転手、警備員、レコード会社勤務等を経て、財団法人関西カウンセリングセンター勤務、心理カウンセラー、キャリアコンサルタント養成の傍ら、特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会の立上げに参画して国家検定キャリアコンサルティング技能検定制度の創設に携わる。2024年3月に一般社団法人日本リスキリングキャリアコンサルタント協議会を立上げ、生成AI時代のリスキリングキャリアコンサルタントの養成を開始。